●雑穀の定義(日本雑穀協会より)
日本雑穀協会では、農学的学問分野からみた雑穀の定義を尊重しつつ、雑穀と呼ぶ作物の対象範囲を拡げ、「主食以外に利用されている穀物の総称」を雑穀と定義し共通認識と考えます。
●雑穀・穀類・穀物とは(広辞苑より抜粋)
雑穀:@米、麦以外の穀類。A豆、蕎麦(そば)、胡麻などの特称。ざこく。
穀類:イネ科植物のうち、種子を食用とするものの総称。穀物。
穀物:人類の主食とする作物。すなわち、稲、大麦、小麦、燕麦(えんばく)、粟(あわ)、稗(ひえ)、黍(きび)、玉蜀黍(とうもろこし)、豆など。穀類。
●五穀について
穀類の王様は「稲」ですが、この稲に「麦、あわ、ひえ、豆」などを加えたものを五穀といいます。
ご先祖様の時代から五穀豊穣(ごこくほうじょう)は日本人の願いでした。玄米や雑穀は、白米のご飯よりもかためです。少し食べにくいかもしれませんが、よくかめば、だ液の分泌がよくなり、香り高い穀物の滋液が口いっぱいに広がってきます。また、栄養価も非常に高いものがあります。
体の内側からきれいにする雑穀
漢方では、穀類は体に入ってから、胃などの消化器系を助ける働きをするといいます。
栄養の代謝を活発にし、血液の流れをよくするなどして、体の中から健康を保ってくれるのです。
「玄米」動脈硬化・高血圧の予防 免疫力アップ 肥満防止
「うるち玄米」はビタミンB1やE、食物繊維をたっぷりと含みます。腸内の微生物の活動を活発にさせるので、消化器系統を丈夫にし、基礎体力を養います。
「もち玄米」には、体を温める作用があり、冷え症の改善に役立ちます。
「そば」動脈硬化・高血圧の予防
「そば米」は毛細血管を強くするのに役立つルチンというビタミンや良質のタンパク質、ビタミンB1などを豊富に含みます。また、消化器系の機能を活発にする働きがあり、食欲増進と便秘の解消にも効果があります。
※そばアレルギーの方は召し上がらないよう注意してください。
「大麦」便秘予防 食欲増進 消化補助 健胃作用
鉄分、カルシウム、ビタミンB1、食物繊維が豊富です。
消化器系の機能を高め、消化吸収を助ける作用があるので、便秘や食欲不振の方にもおすすめです。体内の熱をしずめ、口の渇きを止める働きもあります。
「はと麦」 利尿作用 下痢止め 高血圧予防
ミネラル、ビタミンB群が豊富なうえ、タンパク質を作っているアミノ酸は、穀物の中で最も良質なものを含みます。
効能としては、新陳代謝を活発にし、消化器や呼吸器系の機能を正常に保つ働きがあります。女性には最高の雑穀で、シミ、肌荒れ等を防ぐ美肌効果があると云われています。
「あわ」 アトピー性皮膚炎の改善 疲労回復 糖尿病治療
主な栄養成分は、タンパク質、脂質、ビタミンB1、B2、食物繊維、鉄分などで、白米より2〜3倍も多く含みます。体を冷やす作用があり、漢方では胃熱による吐き気や口の渇きを止めるのに効果があるといわれています。
「きび」アトピー性皮膚炎の改善 動脈硬化・高血圧の予防
主に良質のタンパク質と脂質、食物繊維、鉄分、ビタミンB1を多く含みます。漢方では、消化器系の機能が弱まっているときにその働きを助け、肺や呼吸器系の衰えから生じるせきやたんを止めるのに効果があります。
「ひえ」アトピー性皮膚炎の改善 動脈硬化の予防 疲労回復
主な栄養成分は、タンパク質、炭水化物、脂質、鉄分などです。食物繊維の豊富なのが特徴で、白米に比べて、はるかに多量の繊維を含みます。漢方では、出血を止め、体温を下げる効果があるとされています。
「アマランサス」高血圧予防 肥満防止
タンパク質は白米の2倍、鉄分は48倍、カルシウムは26倍という健康食品です。
アレルギー反応が少ないので、アトピー性皮膚炎の改善食としても注目されています。
「キヌア」美肌 肥満・便秘の防止
キンワともキヌアとも呼ばれています。
穀物の中で、最もタンパク質が多く、必須アミノ酸をバランスよく含みます。
便秘の解消に効果のあるサポニンを含むのでダイエット食としても役立ちます。
平成7年2月15日発行
潟Oラフ社さんのマイライフシリーズNo.344「玄米・麦・雑穀料理」より転載(承諾済み)